2009年3月

器と料理のすてきな関係

~Prologue~

 春。桜が咲き、花粉が舞い、卒業、入学、入社・・・新しい何かがはじまる季節ですね。
ところで、みなさんの1日の中で一番幸せな時間はいつですか?私はもちろん・・・

1.~食事が1日の幸せ度を決定する~

 毎日の生活の中で、私にとって食事はとても大切な時間です。
なぜなら、「いかにおいしく、楽しい食事ができるか」で、その1日の幸せ度が違ってくるからです。
では、どうすれば、おいしくて楽しい食事ができるのでしょうか。

おいしい食事に必要なものとは何でしょうか。私は主に3つあると考えます。それは、

①おいしい料理・②その料理をより美しく演出する器・③ここちよい空間です。

愛する人や家族、気のおけない友人など、食事の時間を共に過ごしてくれる人の存在も必要というご意見もあるか
とは思いますが、これについてはプラスアルファの要素と私は考えています。

2.~器が料理をおいしくする~

 料理と空間については後日触れることにして、食事における器の重要性について考えてみましょう。

 これはどなたにもおわかりいただける例ではないかと思いますが、スーパーで買って来たお惣菜をパックのまま
食卓にのせるか、お皿に盛ってから食卓にのせるか、という選択があります。
例えば、お客様に食事を出すのであれば、迷わずお皿に移してから食卓にのせるでしょう。
味とは別に、お客様に対する礼儀の問題になるからです。もし、訪問先のお宅でパックのままの料理が出されたら、
「あぁ、自分はあまり大切な客ではないのかな。」と感じるのではないでしょうか。
しかし、一般的な家庭での家族だけの食事の場合、この選択に迷うことがしばしばあるはずです。

 どちらがおいしく食べられるか、これは言うまでもありません。料理はお皿に盛ったほうがよりおいしく食べられます。
私たちはそのことを知っていながら、パックのままで食卓にのせることがあります。
お皿に移すか、パックのまま出すか、その決定基準について私なりに考えてみましたが、
様々な要素が絡み合っているので、思った以上に複雑で曖昧なようです。
間違いなく言えるのは、その料理に対して期待していない場合はお皿に移さない、ということです。
逆に私の場合、有名なお店で買った高額なお惣菜はほぼ必ずお皿に移してから食べます。
支払っただけの価値を100%、あるいはそれ以上に味わいたいと思う気持ちがあるからです。

3.~演出を楽しむ~

 買って来たお惣菜でさえ、よりおいしく食べる為に「お皿に盛り付ける」という手間をかけるわけですから、
自分で作った料理ならなおさらです。1人暮らしの学生でもない限り、作った料理を鍋やフライパンから直接食べる、
なんていうことはありえませんよね?

 ただし、お皿に盛ればなんでもいい、というわけではなく、器の選び方と料理の盛り付け方によって、
その料理の味が違ってくるというのが面白いところなのです。
極端な言い方をすれば、演出(器の選び方と盛り付け方)次第で、
その料理をまずくもおいしくもできてしまう、ということです。
これを「面倒」と思う人もいるかもしれませんが、私は断然、楽しんでしまうことをオススメします。

 季節や食材、料理のジャンルに合わせて器の色や質感を選んだり、
盛り付けを考えたりするのはとても楽しいものです。
普段から色々と試しておけば、お客様を迎えての食事会も面倒ではなくかえって楽しみになることでしょう。

4.~器を揃えよう~

 さて、色々な料理やシーンに合わせて器をコーディネイトするには、ある程度の器の数と種類が必要になってきます。
もちろん、だからといって初めから必要も無いものを買い揃えることはありません。
その時々に「こういう器が欲しい」と思った物から少しずつ買い足していけばよいのです。
とは言え、欲しいと思った物がすぐに手に入るとは限りません。
実際私は、もう2年以上もオードブル用の大皿を探していますが、いまだに気に入った物が見つからないのです。

5.~オリジナルの器を作ろう~

 それなら、自分で作ってしまいましょう。もちろん、すぐにイメージ通りのものが作れるとは限りませんが、
もしかしたらイメージ以上のものが出来上がる可能性もあるわけです。
自分のイメージしていたものが自分の手で形になって、イメージ通りに食卓を飾ることができたら、どんなに素敵でしょう。

6.~楽しみ方は無限大~

 器と料理の合わせ方に決まりはありません。
色の組み合わせと量のバランスにさえ気をつければ、鴨のテリーヌを信楽のお皿に盛り付けようが、
梅干をローゼンタールに盛り付けようが、自由なのです。
大事なのは、食事の流れの中でそのひと皿にどんな役割があるのか、どう楽しみたいのかイメージしてみること
ではないでしょうか。言い換えると、キャストと台本によって演出を決める、ということです。
ステーキが主役の時の演出と、辛子明太子が主役の時の演出は当然、違ってきますね。
逆に言えば、演出次第でどんな食材でも主役にすることができるのです。面白いと思いませんか?
この際、これを楽しまない手はないでしょう。

7.~最高の食卓は自宅にある~

 記念日などに「今日は特別だから」と奮発してわざわざ高いお店へ出かけ、高い金額を払ったのに、
嫌な思いをしたことはありませんか?私は何度もあります。
そこで、最近になってやっとわかったことは、「最高の食卓は自宅にある」ということです。
自宅なら、他のお客さんのお喋りも聞こえないし、愛想のないウェイターに気を使う必要もない。
大きすぎるBGMもなければ、サービス料を心配する必要もない。食べたい物を食べたいように、
食べたい量だけ、食べたいタイミングで食べられるのです。
お気に入りのBGMとお気に入りの空間、そしてお気に入りの器で。
とは言え、たまには三ツ星レストランへも行ってみたいと思う今日この頃ではありますが。

器と料理のすてきな関係

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